睡眠不足は大敵 !

日本では、成人の5人に1人が不眠の症状があり、
60歳以上で不眠を感じている方は、3人に1人にものぼると言われています。
若い頃はよく眠れていた人も、高齢になるとなかなか寝付けない、
途中で目が覚める、朝早くに起きてしまうというような現象が見られるのは、
ある程度、仕方のない面があります。

それは、眠りの質が高齢になるほど低下するとともに、徐々に睡眠の必要量が、
減ってくるためです。
眠れない状態が続くことは辛いことですし、若い時と同じように、
熟睡できないにせよ、生活上の工夫をすることで、
眠りの質を改善することは可能です。
≪ 加齢による睡眠の変化!≫
【 10代・20代 】


【  30代  】





【  40代  】

【 50代・60代 】
一般的に寝付きがよく、深い睡眠をとることができます。
いわゆる「爆睡」ができるのもこの年代です。

だんだんと深い眠りがとれなくなっていき、
若い頃のように爆睡することができなくなります。
ただ、この現象は、まだほとんど自覚できない程度です。
それでも、睡眠不足の時に、まとめて休息をとって、
一気に疲労を回復するということはできなくなります。

睡眠に対する満足度が低下してきます。

睡眠障害を訴える人が多くなります。
特に女性の更年期には、睡眠障害を伴うケースが
多くなる傾向があります。

布団やベッドの中にいる時間に対して、
実際に眠っている時間の割合を、「睡眠効率」と呼びます。
30代では、これが100%に近いのですが、
高齢者になると、約70%にまで低下します。
寝室で横になっていても、若い頃のようには眠れなくなるのです。
これは端的に言うと、熟睡ができなくなってくるということです。
しかし、活動的な方は、比較的深い眠りを多くとることができます。

とは言え、加齢に伴って睡眠の質は変化するものであり、
高齢の方が若い頃のようにぐっすりと眠れなくなる現象そのものは、
ある程度は仕方のないことです。

眠れないのを、睡眠障害では?と悩む方もいらっしゃいますが、
それは病気ではなく加齢によるものかも知れません。
必要以上に眠れないことを気にしたり、
神経質にならないように心がけることの方が大切でしょう。

≪ 高齢者の眠りを改善する方法!≫

高齢になると眠りが持続しなくなると共に眠りの質が低下する傾向にあります。
そのため、熟睡感を得るためには、積極的によりよい眠りのための工夫をする
必要があります。

効果的に入浴する!

人間は、夜、体温が下がるときに眠気を感じ、体温低下の幅が大きいほど、
眠気が強くなるという性質があります。
ところが、高齢になると、若い頃に比べて、一日の最高体温が低くなり、
体温低下の幅が小さくなることで、結果的に眠気が弱まります。
そこで入浴によって、寝る前に体温を上げておけば、
体温低下の幅が大きくなり、よく寝付けるようになります。

ただし、ただ入浴すればよいという訳ではなく、
適切な方法が必要です。
それは、38〜40℃ 程度のお湯(少しぬるめのお湯)に、
ゆっくりと10分〜20分入るのが良いと言われています。

これは、十分なリラックス感を得ることと、体を芯まで
温める目的があります。
このようにすることで、入浴後の体温の低下幅を確保することができて、
湯冷めを防ぐことにもつながります。
また、入浴するタイミングですが、体温の低下にかかる時間を考慮すると、
就寝の約1時間前には、お風呂から出るようなタイミングが最適です。

適度な運動をする!

運動をすると体温が上昇します。
すると、体は就寝時にその熱を外に、放出しようとし、体温が低下します。
体温の低下幅が大きいほど寝つきがよくなることから、運動をすることで、
入眠を促すことにもつながります。

また、運動をすると減量(ダイエット)にもなり、
とくに「睡眠時無呼吸症候群」が原因で、眠りの質が低下している場合
には、 それを解消することにもつながります。
(太っていると無呼吸症の症状が出やすいためです)

適度な運動といっても分かり辛いと思いますので、以下を参考にしてください。

 ・ 夕食の90分後に、軽〜く疲れを感じる程度の運動を20〜30分間。
  (スクワット、ストレッチ・柔軟体操など)
 ・ 水泳や筋力トレーニングなど、自分に合った運動を適度に行う。
 ・ 一日に一万歩以上を歩くように心がける。

太陽光を利用する!

私たちの毎日の眠りのリズムは体内時計によって調整されています。
そして、朝に太陽光などの強い光を浴びると体内のリズムが早くなり、
夕方に強い光を浴びると遅くなるという性質があります。
そこで、朝早くに目が覚めてしまう場合には、起きてすぐに強い光を、
浴びない
ようにします。

すぐに日光を浴びると、眠りの時間帯が早まってしまう恐れがあります。
また、夕方前の時間帯に日光を浴びることで眠りの時間帯が後にずれます。
夕暮れ時に散歩をすると、運動も兼ねることができてなお良いでしょう。

昼寝を避ける!

高齢者は眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めたり、
また早朝に目が覚める傾向にあり、日中に眠気を感じやすくなります。
そのため、昼寝をしがちになるのですが、昼寝をすると、
夜の寝つきの悪さにつながり、また夜眠れないという悪循環に、
陥ってしまいます。

そのため、夜の睡眠時間を規則的にして、極力、昼寝をしないように、
することが夜の安眠につながります。
とくに、夕方に仮眠をとることは、夜の睡眠への影響が大きいです。
ただし適切な方法で昼寝をすれば、夜の睡眠へ影響を与えることもなく、
日中の眠気を、上手に解消することができます。

以下を参考にして下さい。

  ※ 適切な昼寝の方法

 ・長くならないよう、20〜30分で起きるようにします。
 ・横にならずにイスにもたれたり、机に伏せて寝るようにします。
 ・夕方以降には、極力眠らないようにします。

寝る前のアルコールは控える!

寝酒は寝つきを良くしてくれますが、反面、眠りの質を、
低下させる問題もあり、中途覚醒や早朝覚醒、あるいは熟睡感が、
得られないことにもつながります。
また、夜中に尿意を催すことにもなり、眠りを浅くしてしまいます。

さらに、アルコールを摂取すると喉の筋肉が緩み、
睡眠中に舌が、喉の奥に落ち込みやすくなり気道が狭くなって、
「睡眠時無呼吸症候群」に、つながることもあります。

特に、高齢者は筋肉の衰えから、発症の危険性が高くなります。
就寝前の飲酒は耐性ができやすく、アルコール依存症の恐れもあります。

お酒を飲む場合は夕食時に、ほどほどに抑えておく方が良いでしょう。

睡眠環境を整える!

高齢者は、深い眠りが取れなくなり、睡眠が全体的に浅くなります。
そのため、若い頃には気にならなかったようなことが原因で、
なかなか寝付けず、あるいは途中で目が覚めるということがあります。

長年同じ環境であることから慣れていると思れるかもしれませんが、
高齢になると睡眠の質が変化していますので、睡眠環境を、
整え直すことが大切です。

とくに、不眠に悩まれている方は、環境を見直すことが大切です。
具体的には、寝心地のよい寝具に替える、窓を遮音・遮光する、
暑すぎず、寒すぎないよう、寝室の温度を調整するなどです。

自分に合った時間帯に寝る!

熟睡感が得られない睡眠不足を解消するように、
早くに就寝する方がいらっしゃいますが、このようにしても、
なかなか寝付くことができないものです。

こうなると、寝床の中でつらい時間を過ごすことになってしまいます。
そこで、必要以上に早い時刻に就寝しないことが、
睡眠を浅くすることや、中途覚醒を防ぐことにつながります。

薬の影響を確かめる!

現在、何か薬を服用して問題があれば、副作用について担当医に、
尋ねてみてください。
眠れなくなるなど、不眠に関連する要因がある場合もあります。

睡眠時間の平均的な目安!


睡眠は、時間の長さと同様に、質を向上させることも重要なことです。
ちなみに、7 時間前後の睡眠が最も健康に良いという結果も出ています。
起床と就寝の規則正しい生活は、良好な生態リズムを維持するためにも、
非常に大切なことであることを留意しておきましょう。