快眠の知恵

気持ちよく眠れなかった次の日は健康な人にもつらいものです。

それがお年寄りなら、なおさらのはず。
年を重ねていくと、夜間目を覚ましやすくなります。

頻尿のために何回も起きる傾向があり、実際は熟睡している時間が短く、
睡眠不足に悩んでいらっしゃる方も少なくありません。

少しでも、気持ちよく眠ってもらう、そのための環境づくりの条件、
それはやはりこまやかな思いやりではないでしょうか。

お年寄りの快眠のための工夫や注意点をご紹介しましょう。

寝室の環境には、充分な配慮を!

寝室を用意する際、心がけることは、
家族と隔離された寝たきり部屋を用意するのではなく、
家族と一緒の生活ができ、しかも世話する側にも便利な部屋を選ぶことです。

静かな方がいいのではと居間から離れた位置に寝室を確保しがちですが、
結果高齢者を孤立させることとなり、
寝たきりになってしまったり、認知症を招きがちです。

ベッドでの生活は最小限に留め、ごく普通の生活をすることが大切です。

これらを考慮にして、階下でトイレや居間に近く、
明るく風通しのよい部屋を選びましょう。

広さは世話する人が動きやすいように、少し広めの部屋が望ましいですが、
住宅事情も様々ですから、部屋の確保が難しいときは、
家のなかを整理して高齢者にとって、いちばん居心地のいい部屋を、
カーテンで間仕切りして使うなど、落ち着ける空間を作る工夫をします。

寝室の温度は、どの程度がいいの?

一般に病人とって、室温は、20℃〜22℃ 位が良いとされ、
若い人では、これより、1〜2℃ 低め、
高齢者では、2℃ くらい高めを快適と感じます。


しかし快適と感じる室温は、個人差や身体の状態によっても違ってきます。
動きの少ない高齢者さらに室温に敏感です。健康な介護者を基準とせず、
高齢者が過ごしやすい室温を保つようにしましょう。

室温を調節するとき注意しなければならないのは、
廊下やほかの部屋との温度差が、5℃ 以上にならないようにすることです。
目安としては夏の適温は 28℃ 前後。

冬は、18〜20℃で、15℃ 以下になったら暖房が必要です。
多少動ける高齢者でも、寒いと寝たきりになってしまう恐れがあります。

高齢者の寝室には寒暖計を置き、こまやかな配慮をしましょう。

快眠のための寝具選び!

高齢者が快適に過ごすためにも寝具は大切なものです。

ベッドとふとんを比べますと、通気、保温、ほこりがたちにくい、
振動が直接伝わらないといった点でベッドのほうが優れています。


ベッドは介護者にとっても、楽にお世話ができる利点があります。

良い寝具は値段も高額ですが、やはり寝心地が断然違います。

なお、ギャッジベッド等は、介護保険での貸与の対象になりますので
専門家に相談されると良いでしょう。

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和式ふとんを使用する場合は、厚めで硬めなものを、2枚 重ねるか、
下にマットレスを使用します。


布団は、こまめに日光にあてて湿気がこもらないようにしましょう。
理想の寝姿勢を保つためには、マットレスの硬さが大切です。
硬すぎると、身体が痛くなったり、寝返りが増えたりします。

逆に柔らかすぎると、胸部と腰部が必要以上に沈み込み、
お腹が突き出た不自然な姿勢になり、腰痛の原因にもなります。

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また、睡眠中、人はコップ1杯程度の汗をかくため、
寝床内は、温度32〜34℃、湿度45〜55%が最適の条件とされています。

心地よく眠るためには、吸湿・透湿・放湿性に優れた、
通気性のよい寝具がおすすめです。

布団だけでなく、ベッドも通気性に配慮したものを選びましょう。

清潔で快適な状態に保てるので、床ずれの予防にもなります。

シーツのシワは、床ずれの原因になることがありますので、
ふとんやマットレスをすっぽり覆う十分な大きさが必要
です。

素材は、肌触りがソフトで、吸湿性の高いものを選びましょう。
毛布や掛けぶとんは軽くて暖かいものが喜ばれます。

寝巻きにも気配りを!

介護をするうえで大切なことは、たとえ障害のある高齢者でも、
自分でできることは、自分でするように促すことです。

思うようにできない姿を見ると、つい介助したくなってしまいますが、
それは回復を遅らせる原因にもなります。

着替えも高齢者ができるかぎり自分でできるように、
ゆとりのある脱ぎやすいものを選びます。

そのほうが活動を妨げず、安全性も確保できます。

寝まきは着脱が楽で、診療、介護がしやすい前あきのものを選びましょう。

素材は、やわらかい木綿、ネル、ガーゼなどが最適です。
床ずれを防ぐためにも、大きな縫い目や飾りのついていないもの、
シワになりにくいものを選びましょう。

下着は、ゴムのきついものは避け、
吸湿性が高く、肌触りがソフトな綿が最適です。